EXPERIENCE
経験・実績
現場の課題に向き合い、実行まで関わってきた取り組み。
SELECTED EXPERIENCE
代表プロジェクト
イメージ画像(AI生成)- 課題
- 性能見積もりがベテランの経験とExcelの探索に依存。
- 取り組み
- 性能予測AIと、データ整備・更新・教育の仕組みを構築。
- 変化
- 経験の浅い担当者でも問い合わせに対応できるように。
主要成果
- 1件あたりの性能見積もり
- 約30分から約1分へ
- 問い合わせ対応の標準化
- 経験の浅い担当者でも対応可能に
背景・取り組みの詳細を読む
ある製造装置の事業では、顧客からの問い合わせに対して、いかに早く性能の見通しを回答できるかが案件獲得における重要な要素となっていました。
当時は、過去に蓄積された大量のExcelデータから、問い合わせ条件に近い試験条件をベテラン社員が経験と勘をもとに探し出し、性能を見積もっていました。
そのため、回答業務が特定の担当者に依存するとともに、人による確認作業がボトルネックとなり、多数の問い合わせへ短時間で対応することが難しい状況でした。
過去の試験データを活用し、顧客から提示された条件を入力すると、期待される装置性能を予測できるAIを構築しました。
一方で、過去のデータはセル結合や表記揺れなどが多く、そのまま分析に利用できる状態ではありませんでした。
そこで、AIの開発に加えて、次の仕組みを整備しました。
- データを分析に利用できる形へ整理
- マスターデータの設計
- データの記録方法・更新方法の整理
- データ更新を含む業務フローの設計
- 各担当者の役割分担の整理
- 現場担当者へのデータ記録・運用方法の教育
従来は1件あたり約30分を要していた問い合わせへの性能見積もりを、約1分で実施できるようになりました。
また、ベテラン社員の経験に依存していた作業を標準化し、経験の浅い担当者でも問い合わせ対応を進められるようになりました。
これにより、問い合わせへの回答スピードと処理能力の双方を改善しました。
AI・データ分析を現場で活用するためには、予測精度の高いAIを作るだけでは十分ではありません。
データの記録方法、業務フロー、担当者の役割、日々の更新方法まで含めて設計し、現場で継続して使える仕組みにすることが重要だと学びました。
現在のAI・DX支援でも、ツール導入を出発点とせず、業務とデータの流れを整理し、実際に運用できる形まで落とし込むことを大切にしています。
イメージ画像(AI生成)- 課題
- 複数の工程や保管条件が絡み、品質異常の原因特定が困難。
- 取り組み
- 現場のヒアリングと、製造・保管・輸送データの横断分析。
- 変化
- 得られた知見を現場の品質改善に活用。
主要成果
- 現場の品質改善によるクレーム発生件数
- 約20%削減
背景・取り組みの詳細を読む
背景・課題
あるフィルム製品の製造現場では、製品の返品が多く発生しており、返品によるコストに加えて、原因調査や顧客対応などのクレーム対応業務にも多くの時間が費やされていました。
フィルムは非常に薄い製品であるため、製造工程や保管・輸送時のわずかな変化が品質異常につながることがあります。
実際に、色の変化、シワ、軽微な切れ込み、異物混入など、さまざまな種類のクレームが存在し、その発生要因も一つではありませんでした。
製造工程では定期的に多くの品質情報が記録されていましたが、製造量が多いためデータ量も膨大でした。さらに、原因を調べるためには製造時の品質情報だけでなく、倉庫での保管期間、温度・湿度、輸送条件など、異なる種類のデータを横断して確認する必要がありました。
そのため、人がデータを一件ずつ目視して原因を探す方法では、複雑な関係性を捉えることが困難でした。
取り組み
分析を始めるにあたり、まず実際の製造現場や保管現場を訪問しました。
フィルムがどのように製造され、梱包され、倉庫で保管されているのかを実際に確認しながら、製造・品質・保管に関わる現場担当者とディスカッションを重ねました。
特に重視したのは、データだけでは分からない現場の経験や観察です。
「どのような状況でクレームが起こりやすいと感じるか」「普段と違うと感じるのはどのようなときか」といった現場の経験値をヒアリングし、それをデータ分析で確認すべき仮説へ落とし込みました。
そのうえで、製造時の品質情報に加え、次のデータを組み合わせて分析しました。
- 製品の保管期間
- 倉庫内の温度・湿度
- 顧客ごとの輸送条件
- クレームとして報告された品質異常
AI・データ分析を活用して大量のデータの関係性を調べることで、現場で得た仮説を検証するとともに、人による目視確認だけでは発見することが難しかったクレーム発生条件を探索しました。
その結果、倉庫内の特定の保管条件と製造時の品質情報の変化が組み合わさった際に、フィルムの品質異常が発生しやすくなる傾向を見出しました。
成果
分析によって得られた知見を現場での品質改善に活用した結果、クレーム発生件数を約20%削減することができました。
これにより、製品返品に伴うコストだけでなく、原因調査や顧客対応など、現場がクレーム対応に費やしていた時間や負担の削減にもつながりました。
この経験から得たこと
製造現場の品質問題は、データだけを見ていても原因にたどり着けるとは限りません。
実際の工程を見て、現場の方が持っている経験や違和感を聞くことで、「どのデータを見るべきか」「どのような関係を調べるべきか」という分析の仮説が生まれます。
一方で、現場の経験だけでは、大量のデータに含まれる複雑な関係性を確認することが難しい場合もあります。
現場の知識から仮説を作り、データとAIで検証し、その結果を再び現場の改善につなげる。
この往復が、AI・データ分析を実際の業務改善につなげるうえで重要だと学びました。
現在のAI・DX支援でも、データやツールだけを見るのではなく、実際の業務や現場を理解し、そこで働く方々の経験を尊重しながら、一緒に改善の手がかりを探すことを大切にしています。
イメージ画像(AI生成)- 課題
- 生成AI活用を支える管理職の理解が必要。
- 取り組み
- 業務ヒアリングをもとに、管理職向け体験型研修を実施。
- 変化
- 管理職の理解が、現場への普及と活用推進につながった。
主要成果
- 管理職の実体験を通じた理解
- 現場への普及と活用推進につながった
背景・取り組みの詳細を読む
背景・課題
生成AIが登場して間もない時期、研究開発部門において生成AIの活用を広げていくためには、実際に利用する現場だけでなく、管理職層にも「生成AIで何ができるのか」「自分たちの業務にどう役立つのか」を理解してもらうことが重要だと考えました。
新しい技術を現場で活用しようとしても、上司がその価値や使い方を理解していなければ、導入や活用が進みにくくなることがあります。
そこで、研究所の部長クラスを対象として、生成AIを実際に操作しながら可能性を理解してもらうハンズオン形式の研修を企画しました。
取り組み
研修内容を決める前に、まず参加予定の管理職が普段どのような業務を行っているのかをヒアリングしました。
一般的な生成AIの機能紹介に留めず、参加者自身の業務効率化につながる次のようなテーマをもとに、研修内容を設計しました。
- 日常的に行っている情報整理
- 文書作成
- アイデア検討
- 情報の要約や整理
当日は、参加者一人ひとりにパソコンを持参してもらい、実際に生成AIへプロンプトを入力しながら、入力内容によってどのような結果が得られるのかを確認しました。
講師が一方的に説明する形式ではなく、参加者自身が手を動かして、「この業務なら使えそうだ」「こういう指示をすれば結果が変わる」と実感できることを重視しました。
さらに、操作方法を学ぶだけでなく、生成AIによって自分たちの仕事をどのように変えられそうかについて参加者同士で考えるディスカッションの時間も設けました。
成果
生成AIが登場して比較的早い段階で管理職層に実体験してもらったことで、生成AI活用に対する理解や関心を高めることができました。
その後、現場で生成AIの活用を進める際にも、管理職側に生成AIへの理解があったことで、新しい活用方法を試すことへの理解を得やすくなりました。
結果として、研究所内での生成AIの普及や活用推進を、比較的早い段階から進めることにつながりました。
この経験から得たこと
新しい技術を組織へ導入する際には、ツールの使い方を教えるだけでは十分ではありません。
参加者自身の業務と結びつけて、「自分の仕事のどこに使えそうか」「使うことで何が変わるのか」を実感してもらうことが重要です。
また、現場で新しい取り組みを広げるためには、実際に利用する担当者だけではなく、その活動を支える管理職層の理解を早い段階で作ることも重要だと学びました。
現在のAI・DX支援でも、生成AIの機能説明だけを行うのではなく、参加者の実際の業務を確認し、その業務に即した体験を設計することを大切にしています。
経験に共通する取り組み方
現場と業務を理解する
現場への訪問や担当者との対話、研修前の業務ヒアリングを通じて、課題や分析・活用のテーマを具体化します。
データを使える状態に整える
Excelのセル結合や表記揺れを整理し、製造・保管・輸送などのデータを組み合わせ、分析に使える形へ整えます。
現場で使われる仕組みにする
記録・更新のフローや役割分担、現場教育、管理職の理解まで含めて、日々の業務で活用できる形につなげます。